クリニックから患者に送るメールは、たいてい四つの種類に分けられます。予約のリマインド、予約変更のお知らせ、同意した患者にだけ送る定期検診時期のお知らせ、休診や診療時間のお知らせです。四つに共通する原則は一つで、メールが運ぶのは予約の情報であり、患者の健康に関する情報ではありません。以下では、種類ごとの文例、送信前に確認すること、こうしたメールに混ぜてはいけない内容を順に取り上げます。

ここで扱うのは一般的な考え方です。医療機関の広告や患者とのやり取りには独自のルールがあります。メールの運用を決める際は、所属する医療職の団体と現行の規定の求めるところに従い、判断に迷う点はその団体か法律の専門家に相談することをおすすめします。

お知らせメールと宣伝メールは別物です

患者が取った予約を思い出してもらう、時間が変わったことを伝える、クリニックが休む日を知らせる、といった連絡は、患者とクリニックのあいだにすでにある関係についてのお知らせです。ところが同じメールの末尾に診療の宣伝やキャンペーンを加えると、そのメッセージは商業的な性格を帯びることがあります。商業的な電子メッセージには、一般に受信者の事前の同意が必要です。

この区別を保ついちばん簡単な方法は、お知らせメールをお知らせだけに使うことです。定期検診時期のお知らせのように境目に位置しうるメッセージは、患者からはっきりとした同意を得て、その同意を日付とともに記録しておくのが望ましいでしょう。

メールに書くこと、書かないこと

メールは、届くまでの途中で多くの人の目に触れうる手段です。共用のパソコンで開いたままになることもあれば、スマートフォンの画面に通知として表示されることも、家族も見る受信箱に届くこともあります。そのため内容は、予約を管理するのに必要な最小限の情報にとどめます。

件名は、メールを開かなくても見えるため、特に注意が必要です。「ご予約のお知らせ:[クリニック名]」のような一般的な件名で十分です。複数の診療科がある場合は、診療科の名前も手がかりになりうることを踏まえ、件名にはクリニック名だけを使うこともできます。

メールの文例四つ

文例はあえて短くしてあり、クリニックの口調に合わせて変えられます。角かっこの項目は、送信時に予約記録の情報で埋められます。

予約のリマインド

件名:ご予約のお知らせ:[クリニック名]
「[氏名]様、[日付][時刻]のご予約についてお知らせいたします。所在地:[住所]。ご来院が難しい場合は、[電話番号]へのお電話か、このメールへのご返信でお知らせください。[クリニック名]」

予約変更のお知らせ

件名:[クリニック名]ご予約時刻の変更について
「[氏名]様、[日付]のご予約時刻を[新しい時刻]に変更いたしました。ご都合が合わない場合は[電話番号]までお電話いただければ、別の時間を一緒に決めさせていただきます。変更によりご迷惑をおかけし、申し訳ございません。[クリニック名]」

定期検診時期のお知らせ(同意した患者のみ)

件名:検診の時期が近づいています:[クリニック名]
「[氏名]様、以前に検診の時期をお知らせするようご希望をいただいておりました。担当医がおすすめした検診の時期が近づいております。ご都合のよい日を[電話番号]でご予約いただけます。今後このお知らせが不要な場合は、このメールに「配信停止」とご返信ください。[クリニック名]」

休診と診療時間のお知らせ

件名:[クリニック名]診療時間のお知らせ
「[氏名]様、当院は[期間]休診いたします。この期間にご予約のある方には個別にお電話し、新しい日時を決めております。急を要する場合は、最寄りの医療機関をご利用ください。[クリニック名]」

クリニックの都合で予約を変えた場合、メールだけでは足りないことがあります。患者が予約の日までメールを開かない可能性もあるためです。そのようなときは電話でも連絡し、連絡のつかなかった患者を別に書き留めておくと、もうなくなった予約のために来院してしまう人を減らせる可能性があります。

四つの文例のどこにも、予約の理由は書かれていません。検診のお知らせでも「担当医がおすすめした検診の時期」とだけ書けば十分で、どの治療の検診なのかはメールに入れません。

別の人に届かないようにするために

健康情報を含まないメールでも、別の人に届けば、ある人がそのクリニックの患者であることが知られてしまいます。このリスクを下げるには、いくつかの習慣で足ります。

それでもメールが誤ったアドレスに届いた場合は、受け取った人に削除をお願いし、該当する患者に状況を率直に説明し、記録のアドレスを直し、その出来事を日付とともに記録します。こうした出来事が報告や通知の義務につながるかどうかは、法律の専門家の意見を聞くことができます。

こうしたメールに混ぜてはいけないもの

医療機関の広告は厳しく制限されており、お知らせメールはその線を越えやすい場所です。一般的な目安として、次のものはこうしたメールに入れません。

ありがちなつまずきと、代わりにすること

ありがちなつまずき代わりにすること
医師個人のメールアドレスからお知らせを送るクリニックの公式アドレスを使う
お知らせを画像だけのポスターにする簡潔で読みやすい文章で書く
返信を受け付けないアドレスから送る返信を確認しているアドレスか電話番号を伝える
院内の略語や診療科コードを使う患者にわかるやさしい言葉を選ぶ

送信前のチェックリスト

確認項目理由
差出人名にクリニック名が表示されているか患者がメールに気づき、迷惑メールに移さずに済みます
日付と時刻が予約記録と一致しているか患者が違う日に来院しなくて済みます
テンプレートに前の患者の名前が残っていないかある患者の名前が別の人に届かずに済みます
住所と階数の情報は最新か移転や階の変更のあとも、患者が道に迷いにくくなります
お知らせ不要と伝えた患者が記録で印をつけられているか望まない患者にメールが再び届かずに済みます
送信時刻が深夜や早朝にかかっていないか通知が都合の悪い時間に患者を煩わせずに済みます

よくある質問

血液検査や各種検査の結果をメールで送ってもよいですか。

血液検査や各種検査の結果は健康情報であり、通常のメールに添付して送ることはおすすめしません。暗号化された経路やクリニックの患者用ポータルで共有するのが望ましく、メールでは結果が出たことだけを伝えられます。患者がメールでの受け取りをはっきり希望する場合は、どのような条件で可能か、クリニックの法律顧問に相談するのが望ましいでしょう。

子どもの患者のお知らせは誰に送りますか。

子どもの患者の場合は、記録に登録された保護者または法定代理人のアドレスに送ります。受付の時点でどのアドレスを使うかをはっきりさせておくと、メールが別の家族に届くことを避けやすくなります。

患者がメールではなくSMSやWhatsAppを希望したらどうしますか。

患者が希望する経路を記録に印をつけ、お知らせはその経路で送ります。最小限の情報という原則はどの経路でも同じで、メッセージが短いからといって情報を足す理由にはなりません。

患者からメールアドレスが変わったと連絡があったらどうしますか。

新しいアドレスを記録に入力し、古いアドレスは削除します。古いアドレスが残っていると、患者がもう使っていない、あるいは今は別の人のものになったアドレスにお知らせが届き続けることがあります。

予約のリマインドは自動で送れますか。

送れます。予約記録とつながったシステムが、記録された日付と時刻をもとにお知らせを自動で用意できます。自動送信であっても、テンプレートの内容と送り先はクリニックが決めます。

予約や事後のメッセージを手作業で送らなくてもよくなります

Kılman のメッセージアプリと音声通話の自動化サービスでは、クリニック向けに設定したアシスタントが、患者からのメッセージを受け止め、用件を理解して適した選択肢を示し、予約を作成してカレンダーとメールに記録し、来院後にフォローのメッセージを送ることができます。メッセージにどの情報を載せ、誰に送るかはクリニックが決めます。クリニックに合わせた設定の進め方は、サービス紹介に載せています。

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