物件オーナーの情報は、三つの層に分けて管理するのがいちばん簡単です。人と連絡先、物件と媒介契約の内容、広告の状況とやり取りの履歴です。どの層にも業務に必要な情報だけを書き、誰が見られるかを最初に決め、取引が終わったら記録をどうするかもはっきりさせておきます。こうしておけば、担当者が休暇に入ったり退職したりしたときに、物件の情報が一緒に失われるリスクが下がります。以下では、記録項目の例、個人情報で気をつけたい点、オーナーに送れる連絡文を紹介します。

以下は一般的な提案として読んでください。オーナーの氏名、電話番号、住所、権利書、本人確認の情報、口座情報は個人情報です。これらをどのように集め、どれくらいの期間保管し、誰と共有してよいかについては個人情報保護の決まりに従い、迷う点は弁護士などの専門家に確かめてください。

オーナー情報が散らばる理由

多くの会社では、オーナーの番号は担当者のスマートフォンの連絡先に、契約の日付はファイルの中に、最後に話した価格は WhatsApp のやり取りのどこかにあります。情報がこれほど散らばっていると、簡単な質問にも時間がかかります。「この部屋の媒介契約はいつ切れる?」「オーナーが最後に了承した価格はいくら?」「鍵は誰が持っている?」答えを知っている唯一の人がその日いなければ、仕事は止まります。同じ散らばりは個人情報の面でもリスクです。情報が多くの場所にコピーされるほど、誰が何を持っているのかがわからなくなります。

記録の三つの層

人と連絡先

オーナーの氏名、連絡のつく電話番号、連絡してほしい時間帯があれば、たいていの業務には足ります。物件の住所はすでに物件の記録にあるので、オーナーの自宅住所を別に書く必要はほとんどありません。オーナー本人ではなく家族や代理人とやり取りする場合は、その人の名前と、どこまで決められるかをこの層に書いておきます。

物件と媒介契約の内容

物件の住所、種類、主な特徴、媒介契約の開始日と終了日、そして契約が自社だけか複数の会社に出ているかがこの層に入ります。権利書の内容をすべて写すのではなく、物件を正しく特定できる分だけを書き、書類そのものは別の保護された場所に置きます。

広告の状況とやり取りの履歴

広告が掲載中かどうか、オーナーが最後に了承した価格と了承日、鍵を誰が持っているか、オーナーとのやり取りごとの日付つきの短いメモがここに入ります。メモは次の担当者が読んでわかるように、はっきり短く書きます。誰が電話したか、何を話したか、次の一手は何か、です。

記録項目の例

下の表は、一つの物件について持てる項目の例です。表計算ソフトでも物件管理ソフトでも同じように使えます。

項目記入例見られる人
オーナー[氏名]担当者、店長
連絡先[電話番号]、平日の夜担当者、店長
物件[地区]、マンション、[間取り]社内全員
媒介契約自社のみ、終了:[日付]社内全員
直近の了承価格[金額]、了承日:[日付]社内全員
鍵店舗で保管、担当:[担当者名]社内全員
やり取りメモ[日付]:写真を撮り直す担当者、店長

「見られる人」の列は、記録の中でいちばん抜けやすい部分です。物件の特徴や価格は社内で共有する情報ですが、オーナーの電話番号ややり取りのメモは、その物件を担当する人にしか必要ありません。

誰が見て、どこに置き、取引後はどうするか

オーナーの情報は、買主や借主、不動産ポータルには開示しません。広告に載るのは物件の情報で、オーナーの氏名や電話番号は、広告文にも写真にも物件説明にも入れません。

オーナーに送れる連絡文

オーナーとの大事なやり取りを文字で残しておくと、あとで「その価格は言っていない」といった食い違いを減らせることがあります。以下は、その記録を残すための短い文例です。

媒介契約と価格の確認

「[オーナー名]様、本日のお話をまとめてお送りします。[住所]のお部屋の売却について、[終了日]まで当社に媒介をお任せいただき、売り出し価格は[金額]とすることで合意しました。違っている点があれば、このメッセージにご返信ください。問題がなければ、この内容で広告を準備いたします。[担当者名]、[会社名]」

広告更新のお知らせ

「[オーナー名]様、お部屋の広告を更新しました。新しい写真を追加し、説明文はお話ししたとおりに直しました。お約束どおり駐車場と収納の情報も加えましたが、価格は変えていません。広告をご覧になりたい場合は、リンクをお送りします。[担当者名]」

避けたいこと

よくある習慣と、よりよいやり方

よくある習慣よりよいやり方
購入の申し込みが来たときだけオーナーに連絡する内見があるたびに短く知らせる
価格の変更を電話で話してそのままにする変更を文字のメッセージで確かめる
担当が替わるときに記録を口頭で引き継ぐ記録とやり取りのメモを新しい担当者に渡す
小さな変更のたびに別々のメッセージを送る変更をまとめて一通にする

月末のチェックリスト

確認項目理由
媒介契約が切れた広告がまだ掲載されていないか契約のない広告は、オーナーとも顧客とも問題になりかねません
掲載価格が記録の直近の了承価格と同じかオーナーが了承していない価格を顧客に伝えずに済みます
同じオーナーが二つの記録に分かれていないか情報を一か所で直せるので、食い違いが生まれません
記録の電話番号はまだつながるか急ぎの申し込みがあったとき、オーナーに遅れず連絡できます
記録ファイルの最新のバックアップがあるか機器が壊れても、物件の情報を失わずに済みます
アシスタントの物件データに物件の情報だけが入っているかオーナーの情報が、顧客に見える項目にうっかり混ざらずに済みます

よくある質問

オーナーに本人確認書類のコピーを求めてもよいですか。

多くの場合、書類を見て名前を記録と照らし合わせるだけで足りることがあります。コピーを保管する必要がある場合は、何の目的でどれくらいの期間保管するのかをオーナーにはっきり伝え、弁護士の助言を受けておくのが望ましいでしょう。

買主がオーナーと直接話したいと言ったらどうしますか。

オーナーに先に確かめないまま、オーナーの番号を買主に伝えることはしません。オーナーが応じる場合は、了承を得て番号を伝えるか、担当者が同席する形で店舗での面談を設けます。

オーナーがほかの会社にも依頼している場合、記録はどうしますか。

この場合によくある問題は、会社ごとに価格が違って見えることです。価格を変えるときにほかの会社にも知らせているかをオーナーに尋ね、その答えをやり取りのメモに書いておくと、顧客に違う価格を伝えてしまうことを防ぎやすくなります。顧客がどの会社を通じて来たかを書き留めておくことも、のちの食い違いを減らす助けになります。

オーナーから情報の削除を求められたらどうしますか。

依頼を日付とともに記録し、不要になった情報を削除します。進行中の契約や取引のために残す必要がある情報があれば、どれに当たるかを弁護士に確かめたうえで、その内容をオーナーに説明します。

オーナーが海外にいて代理人を通す場合はどうしますか。

代理人の氏名、連絡先、委任の範囲を人の層に書き、委任状の原本を確認します。委任状で売却や賃貸まで進められるかは、弁護士に確かめておくと安心です。

顧客に紹介するのはオーナーではなく物件

このアシスタントは Kılman 不動産自動化システムの一機能で、物件データに登録された所在地、間取り、価格、面積、主な特徴をもとに動き、顧客にはこの登録済みの情報だけを伝え、推測はしません。オーナーの連絡先は、これらの項目に入力しない限り顧客に届きません。顧客が気に入った物件については予約を作成し、御社と顧客にそれぞれメールを送ります。物件データの組み立て方と含まれる項目は、不動産自動化システムの紹介で説明しています。

💬 WhatsAppで見積もり

初回相談は無料です。