仕事が増えてくると、机の上に一つの言葉が浮かびます。「このままだと誰か雇わないといけない」。

同じ週に自動化の広告を目にして、二つ目の言葉が加わります。「ソフトで片づくかもしれない」。

どちらの言葉にも理があります。やっかいなのは、二つが同じ問いへの答えのように見えることです。実際には別々の問いに答えています。この記事は、その二つを切り分けるためのものです。

問いの立て方が多くの場合ずれている

「採用か自動化か」という問いは、二つが置き換え可能だと前提しています。小さな会社では、たいていそうではありません。

より適した問いはこちらです。手元に積み上がっている仕事は、繰り返しの仕事でしょうか、それとも判断を要する仕事でしょうか。

繰り返しの仕事は、同じ手順を同じ順番でたどります。届いたメッセージを表に書き写す、請求書をとじる、予約のリマインドを送る、同じ五つの質問に同じ五つの答えを返す。人はここで疲れ、注意がそれ、手順を飛ばします。

判断を要する仕事は毎回違います。お客さまの声色から居心地の悪さを感じ取る、仕入先と交渉する、苦情を鎮める、例外を認めるかどうか決める。ここでは人が強く、ソフトは弱いままです。

多くの会社で、この山は両方が混ざっています。山を仕分けないまま下した判断は、外れやすくなります。

それぞれが実際にかかる費用

この比較はご自身の数字で進める必要があります。業種によっても都市によっても変わるからです。項目を落とさず並べておくと、作業が進めやすくなります。

採用側の項目:

自動化側の項目:

二つの表を並べると、たいてい一つの形が見えてきます。採用の費用は毎月くり返し、時とともに増えていきます。自動化の費用は主に最初に集まり、その後は下がって落ち着きます。

これは自動化のほうが安いという意味ではありません。費用が時間のどこに寄るかが違うという意味です。資金繰りの張りつめた会社では、最初に集まる費用は重く感じられ、毎月の定額は扱いやすく見えることがあります。逆の場合もあります。

どの仕事がどちらに向くか

手元の山を三つの箱に分けてみてください。

一つ目の箱、自動化に向くもの。 規則を書き出せる仕事です。「これが来たらあれをする」という一文で説明できるなら、それは規則です。予約のリマインド、請求書の登録、在庫の警告、よくある質問への回答、送信されたフォームを表に書き込む作業。ここで自動化は疲れず、忘れません。手作業の表がどこで追いつかなくなるかはExcelでの顧客管理が追いつかなくなるときで扱っています。

二つ目の箱、人に向くもの。 規則を書き出せない仕事です。苦情への対応、交渉、新しい取引関係を築くこと、例外の判断、悪い知らせをうまく伝えること。ここにソフトを置くと、費用が無駄になることがあります。

三つ目の箱、両方が並んで動くもの。 たいていここが一番大きく、そして一番見落とされます。例を挙げます。届いた依頼をシステムが記録し、仕分けし、急ぎの順に並べ、そのうえで人に渡す。人はゼロからではなく、下ごしらえの済んだ書類から始めます。この組み立てなら、一人でも以前より多くの仕事に手が回るかもしれません。

三つ目の箱が大切なのは、判断がしばしば「採用か自動化か」ではなく、「二人目を雇う前に、いまいる人の負担を軽くできないか」だからです。近い話はあなたが不在だと仕事が止まる場合にあります。

自動化が埋めないところ

率直に言えば、自動化はすべての隙間を埋めるわけではありません。

新しい取引関係を築くのは人の仕事です。現場に立つのも人の仕事です。誰も知らせないうちに問題に気づいて手を打つのも人の仕事です。会社が詰まっているのがこちら側なら、ソフトは楽をもたらさず、同じ詰まりの整った姿を見せるだけかもしれません。

自動化が求める保守も勘定に入れておく必要があります。組み上げたシステムはひとりでに進みません。手順が変われば更新が要り、サービスが終わればつなぎ直しが要り、ときどき点検も要ります。導入の前に誰が担うか話し合われていないと、数か月後に静かに誤った動きを始めることがあります。同じ話は自動化の案件がうまくいかない理由でも触れています。

採用が埋めないところ

同じ率直さを反対側にも向けます。

新しい人が来ても、負担はすぐには減りません。まず増えます。教えるには時間がかかり、教えるのはご自身だからです。成果はたいてい数か月後に見えてきます。期間と見通しについては自動化はどれくらいかかり、いつ効いてくるのかをご覧ください。

採用は壊れた手順を直しません。その上に人を一人置くだけです。 二つ目のこの点は、一つ目より重く響きます。同じ情報を三か所に入力しているなら、二人目も三か所に入力します。誤りの数は減らず、倍になることもあります。

ですから多くの会社での順序はこうなります。まず手順を簡素にし、そのうえで必要なら人を足す。

決める前の五つの問い

ご自身で答えてみてください。紙に書くと、たいてい見通しがよくなります。

1. 説明されれば、ほかの人でもこの仕事をこなせるでしょうか。 こなせて、しかもその説明が書き出せるなら、自動化を見てみる価値があります。

2. 量は一定でしょうか、それとも波があるでしょうか。 一定の量なら人もソフトも支えられます。波がある場合、固定給は静かな月に重荷になりかねません。

3. 誤りの代償はどれくらいでしょうか。 予約の取りこぼしがお客さまを失わせるなら、忘れない仕組みには価値があります。誤りの代償が小さいなら、急ぐ理由も小さくなります。

4. この仕事をいま誰がしていて、どれだけ時間を取られていますか。 一週間、ざっくりと記録をつけてみてください。記憶で決めると誤りやすくなります。いちばん時間を食う仕事は、たいていいちばん目につく仕事ではないからです。

5. この仕事は半年後に増えるでしょうか。 増えるなら、今日人で片づけても、半年後に同じ問いが戻ってくるかもしれません。

よくある三つの誤り

業務の全体を一度に自動化しようとすること。 大がかりな構築は長引き、長引く構築では終わる前に根気が尽きます。一つの困りごとを選んで仕上げるほうが、たいてい健やかに進みます。

手順を書き出さないままシステムに移ること。 頭の中の流れと、実際に起きている流れは、しばしば別物です。書き出されていない手順を自動化すると、誤りのほうも自動化されます。

導入後、誰もシステムを引き受けないこと。 誰が点検し、不具合のとき誰に連絡するのかが最初に決まっていないと、システムは気づかれないまま使われなくなることがあります。

まとめ

問いは「採用か自動化か」ではありません。問いはこうです。手元の山のどれだけが繰り返しで、どれだけが判断でしょうか。

繰り返しの側が重いなら、自動化のほうを見るのは理にかなうかもしれません。判断の側が重いなら、人を探すほうが適しているかもしれません。多くの会社には両方があり、正しい順序は、まず繰り返しの側を簡素にし、そのうえで人の要否をもう一度測ることです。既製品と個別開発の選択については個別開発か既製パッケージかが参考になります。

この順序をたどると、二人目が要らなくなることもあります。要る場合もありますが、そのときは輪郭のはっきりした役割に入ってもらえます。

よくあるご質問

自動化したら、いまの従業員に辞めてもらう必要がありますか。

たいていその必要はありません。自動化が引き受けるのは、主に誰も好まない繰り返しの仕事です。そこから解放されれば、従業員はお客さまにより多くの時間を向けられます。

小さな会社に自動化は早すぎますか。

会社の規模よりも、繰り返しの仕事の量が効いてきます。一人の事業でも、日に何度も繰り返す作業なら向いていることがあります。

導入にはどれくらいかかりますか。

時間の大半は手順を明らかにすることに使われ、コードを書くことではありません。手順が書き出されている会社では短くなり、話し合いながら取り出す場合には長くなることがあります。

システムが止まったら、仕事も止まりますか。

それは導入をどう設計したかによります。自動化が止まったとき手作業で続けられる道を残しておくことは、始める前に話しておきたい項目です。

どの作業から始めるのが理にかなっていますか。

いちばん繰り返され、いちばん煩わしい作業がたいていよい出発点です。最初の導入で目に見える楽さが生まれると、次の一歩は進めやすくなります。